インプラント治療とは?
インプラント治療は、何らかの理由で歯を失ってしまった後も、ご自身の歯に近い自然な感覚で食事や会話ができる治療方法です。
具体的には、歯を失った部分の顎の骨に人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯を装着します。顎の骨に固定されるため、入れ歯のような違和感やグラつきがありません。セラミックなどの白い素材を使うことで、人工の歯も自然に仕上がります。周りの歯に負担をかけることなく治療できるのもメリットです。
当院のインプラント治療
SimPlant(シムプラント)
シンプラントは、世界的に高いシェア率を誇るインプラント術前シミュレーションソフトです。
歯科用CTの3D画像とシンプラントを使用することで、あらゆる角度から顎の骨を立体的に確認できます。さらに、レントゲン画像ではわからなかった骨の形や量などもわかるため、より的確な診断につながります。リアルな画像を使って説明することで、患者さんにもわかりやすくお伝えできるのも特徴です。
シンプラントの大きな特徴
- ●精密な情報がわかるので、手術や治療の見通しが立てやすい
- ●情報が不十分だと手術を始めてから変更することもあるが、そのリスクが少ない
- ●世界で使用されているさまざまなインプラントに対応している
インプラントメーカー
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ストローマン
ストローマンインプラントは世界シェアの高いインプラントです。
高水準の品質管理と長期にわたる安全性、骨への定着の早さが高い評価を集めており、世界70ヶ国以上の歯科医院で導入され、約500万人に使用されています。 -
アストラテック
アストラテックインプラントは世界4大インプラントの1つといわれています。
骨と結合するスピードが非常に早いため治療期間を短縮でき、人体への負担も抑えることができます。さまざまな長さや太さのインプラント体がそろっており、患者さんお一人お一人の骨の状態に適したものを選べるのも魅力です。
治療の流れ
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- STEP1
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カウンセリング
毎日のセルフケア方法の確認や、お口に関するお悩みなどのカウンセリングを行います。
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- STEP2
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画像解析・シミュレーション
CTの撮影データから神経や歯根の位置などを確認し、インプラント手術をシミュレーションいたします。
患者さんのご希望や患部の状態に合わせてインプラントを選び、埋入の位置や角度などを決めるなど、くわしく手術計画を立てていきます。
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- STEP3
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手術用ドリルガイド(サージガイド)の作成
シミュレーション通りに手術を進めるために、手術用ドリルガイド(サージガイド)を作成いたします。症例によっては、患者さんの骨と同じ形のモデルを用意して歯科医師が手術のシミュレーションを行うことも可能です。
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- STEP4
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手術
準備を終えたら、手術を行います。サージガイドの補助でインプラントを埋め込む微妙な角度もスムーズに決まるので、ミスが起こるリスクも低く、予定通りに進めます。たいていは約1時間で手術が完了いたします。事前に骨の状態を確認できているため、歯肉を切開して中の骨を確認する必要がなく、出血や傷を抑えることができて早い治癒につながります。
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- STEP5
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人工歯の装着
インプラントと骨が結合するまで待ち、骨とくっついた後に仮の歯を作成します。
仮の歯で慣れて頂いた後に最終の歯を作成して装着し、経過に問題がなければメインテナンスに移行します。
長く使い続けるために
インプラント治療が一般的になり、多くの方がインプラント治療を受けるようになってきました。
それとともに、インプラント治療後のトラブルとして「インプラント周囲炎」が増えています。当院では長くインプラントを使い続けていただけるように、インプラント周囲炎の予防・治療・検査に力を入れております。
インプラント周囲炎とは?
インプラント周囲炎とは、歯垢(プラーク)や細菌によってインプラントのまわりの歯ぐきや骨に炎症が起こることです。
毎日しっかりと歯を磨いていなかったり、定期メンテナンスを続けなかったり、かみ合わせが悪かったりなどの理由から引き起こされます。インプラントの歯周病とも呼ばれており、膿や血が出て、インプラントがぐらつくと除去することになります。
2015年の海外の文献*1では、歯肉炎に病態が近いインプラント周囲粘膜炎の有病率は43%で、インプラント周囲炎の有病率は22%との報告があります。
また日本歯周病学会が行った実態調査の結果では、我が国の患者あたりの罹患率は,インプラント周囲粘膜炎が33.3%,インプラント周囲炎が9.7%との報告があります*2。
- *1
- Derks J, Tomasi C. 2015. Peri-implant health and disease: a systematic review of current epidemiology. J Clin Periodontol. 42 Suppl 16:158–171.
- *2
- 日本歯周病学会 歯周病患者における口腔インプラント治療指針およびエビデンス2018 p38
インプラント周囲炎の予防ケア
インプラント周囲炎を防ぐためには、毎日の予防ケアが欠かせません。
自宅で毎日しっかりと歯を磨き、磨ききれないところは定期的に歯科医院でクリーニングをしましょう。
自宅と歯科医院でのケアを続けることで、いつまでもインプラントをいい状態で使い続けられます。
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1毎日の歯磨き
毎日ていねいにブラッシングを行い、歯についた歯垢を小まめに取り除いてお口の中をきれいに保ちましょう。正しいブラッシングを身につけていただき、より的確にセルフケアしていただけるように、当院ではブラッシング指導を行っております。
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2歯科医院での定期メンテナンス
インプラントの治療後は、メンテナンスが必要です。
術後の経過がよくてもメンテナンスを怠ると、磨き残した歯垢や汚れが蓄積されて、インプラント周囲炎を引き起こしてしまいます。
定期メンテナンスでは歯垢や歯石を取り除き、インプラントやかみ合わせなどの状態をチェックし、顎の骨の状態を診査します。さらに、その結果をもとにかみ合わせの調整やトラブルを未然に防ぐための指導を行います。
なお、毎日ていねいにブラッシングをしていても、磨き残しが出るものです。プロによるクリーニングで歯垢や歯石を徹底的に落としましょう。
メンテナンスやクリーニングにご来院いただく頻度は、患者さんお一人お一人で異なります。くわしくは歯科医師までご相談ください。
さいごに
高価な費用と長い時間をかけてインプラント治療を受けても、毎日のお手入れを怠るとインプラントが使えなくなってしまうかもしれません。
そうならないためにも、歯科医院での指導に沿って日々のケアを徹底し、定期的なメンテナンスを続けていきましょう。
スタッフ一同、患者さんが長くインプラントを使い続けられるように尽力いたします。