歯周病学の歴史(古代編)
横浜アリーナ前歯科院長の河合です。今日は歯周病学の歴史(古代編)をまとめてみました。
おうち時間で、お暇がありましたらご覧ください。
古代人も歯には悩まされていたようです。
メソポタミア文明の首都・ウルでは金の爪楊枝が発掘されており、古代エジプトの医学書であるエバース・パピルスでは歯や歯肉の疾患についての文献や様々な薬物処方について記載があるそうです。
また、古代インドの医学書であるチャラカ・サンヒターでは歯磨きや口腔清掃の方法について、噛んでブラシ状にした棒で1日2回歯茎を傷つかないように磨くように、と言及しているそうです。噛み棒は古代中国人も古くから使用していたようで、植物の枝や根を噛んでブラシ状にし、歯磨きに使用していました。
古代ギリシャにおいては我々医療人にとってはおなじみである、「ヒポクラテスの誓い」のヒポクラテス(前460~377年)が登場します。彼は、歯肉の炎症は唾液や歯石の沈着により起こると推察していました。
アウグストゥスが初代皇帝として君臨したローマ時代、アウルス・コルネリウス・ケルスス(前25~後50年)は歯の動揺は歯肉と歯根が弱ることで生じ、熱した鉄を軽く歯肉に当て、その後ハチミツを塗ると良い、と述べていました。
ローマ人は口腔清掃に非常に関心があったようで、ローマ時代の詩歌の中には歯ブラシの使用についての記載があったそうです。
本日は以上です。また今後、中世編・近世編とアップしていきたいと思います。
参考文献
Caranza’s Clinical Periodontology 上巻 初版 2005.4.10