歯周病学の歴史(中世編)
横浜アリーナ前歯科院長の河合です。今日は歯周病学の歴史(中世編)です。
おうち時間で、お暇がありましたらご覧ください。
中世~ルネサンス期の歯科学はコルドバに生まれたアブル・カシム(Abu al-Qasim al-Zahrawi、936~1013年)の専門書に由来したものが多いとされています。
アブル・カシムは付着した歯石の除去を自ら考案した歯周治療専用器具でスケーリング(歯石除去)を行い、その方法を詳細に記述しました。また、抜歯や金属ワイヤーを用いた動揺のある歯の固定、著しい咬合異常の咬合調整も詳細に記載したとのことです。彼は中世イスラム世界で最も偉大な外科医の1人とされています。
彼の書籍はアラブ世界を超え広まり、後の外科医にも大きな影響を与えました。
アブル・カシムと時は同じ頃、日本では丹波康頼(912~995年)が朝廷に「医心方」という医学書(全30巻)を献上しました。
その第5巻「巻五 耳鼻咽喉眼歯篇」にて口腔、歯、咽頭、鼻疾患の治療法が記載されています。彼は、歯は骨髄から栄養を受け取り、歯の動揺は栄養失調によって起こされていると記述しました。医心方は現在、東京国立博物館が所蔵しているとのことです。
今日は以上です。ご覧いただきありがとうございます。
参考文献
Caranza’s Clinical Periodontology 上巻 初版 2005.4.10